昨日は勤めている学校の卒業式だった。
私には子どもがいないから、学生として自分が卒業して以降は、もう出る機会はないだろうと思っていた。しかし、日本語学校に勤めてから、学生を送る立場として卒業式に出ることになった。
前に勤めていた学校で校長が式辞で、「自分たちはずっとこのままだけど、みなさんにはこれから新しい道が開けていて、それがうらやましい」と言ったことをときどき思い出す。
私は自立が遅く、いつまでも学生気分が抜けなかった。しかし、それを聞いたとき、私はもう送り出す側の人間になったんだということがまざまざと感じられた。
前に勤めていた学校は進学校で、先生たちも「日本語学校なんて通過点なんだから、さっさと忘れて次に行け」という感じの人が多かった。今の学校は少人数、アットホームをモットーとしており、先生たちも「いつでも遊びに来てね」というタイプが多い。
どちらもその通りだ。
学生にとって、大学や専門学校という進学先は、日本語学校よりも自立が求められる。日本語学校ほどサポートは手厚くないし、先生も出席率や居眠りに厳しくない。自由は増えるが、その分自分でなんでもやらなければならなくなる。
前の学校の「通過点」という言い方は一見厳しく思えるが、進学先が大変だからこそ振り返っている暇はないと教えていると思うし、今の学校は進学先が大変だからこそ、辛くなったときに支えとなる場所があると、学生を安心させていると思う。
自分が送られる立場だったときは、どちらも嫌だった。
通過点にも、ホームにもなりたくなかった。
仰ぎ見られるような、そんな星のような存在になりたかった。
卒業してから、自分が学生にとってどんな先生だったんだろうと思うことがある。
いい先生だっただろうか、それともダメな先生だっただろうか。
学生にとっては、どんな先生も先生だ。
もちろん好きとか、苦手とか、馬が合うとか合わないとか、教え方が上手いとか下手とか、評価はそれぞれあるが、それでも先生は先生だ。
記憶に残る先生でいたいとは思わない。
学生の人生のなかで変化が多い2年間を共にでき、その変わりゆく様子を一緒に経験できたことがありがたい。
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