近況(2025年6月1日)
風邪を引いて2週間くらい寝込んでいた。
コロナでもインフルエンザでもなかったが、37度台の熱がずっと下がらなかった。
自分が担当しないといけない授業の日は出勤したけど、それ以外はずっとうちで寝ていた。寝ている間に、世間ではいろいろなことがあったようだが、正直頭が痛くて何もできなかった。
コロナの時でさえ、軽い読書や動画を見るのはできたのに。
小6のとき入院して、絶対安静で本を読むのやテレビを見るのを禁止されたことがある。それ以来ぶりだ。
見るものは天井しかなくて、それも飽きてくるから目をつむるけど、昼間は目が冴えて眠れないからまたすぐ目を開ける。でも、目を開けたって天井しかないから、また目をつむる。
うつらうつらしてきたところで熱で氷嚢が溶けてくる。新しいものと取り換えたり、喉が渇いてお茶を飲んだりする。しばらくするとトイレに行きたくなって、またベッドへ戻る。
それを繰り返しているうちに食事の時間になって、おかゆや冷凍食品や冷凍うどんを温めて食べて、薬を飲んで寝る。ただ寝ているだけなのに、1日が過ぎていく。
せめて聞くのは大丈夫だから、ポッドキャストをつける。でも、普段聞いている本屋さんがやっている本の紹介ラジオや、社会学者がやっている日常生活紹介ラジオが全く聞けない。いつもは楽しんでいる本の話や論文紹介が、全く頭に入ってこない。
ふと、ずっと聞こうと思っていた『クィアにしんにょう』というポッドキャストを流し始めた。
アーティストの谷澤紗和子さんのイベントで知り合った在日コリアンでアーティストのみょんふぁさんが主宰しているものだ。ずっと登録だけしていたけど、なんとなくそのままだった。
一人語りのラジオだと思っていたら、3人でやっているもので、知っている人の声が混じっていた。カナダに行った吉田さんだった。ちなみにもう一人は在日コリアンで韓国在住のアーティストのあじじさんだ。
吉田さんは編集者をしていたけど、フリーランスになってカナダに行った。コロナ禍の最中は連絡を取っていたけど、しばらく連絡していなかったから、思いがけないところで声を聞けてうれしかった。
うちに自分以外誰もいなくてすることもないときに、耳元で知っている人の声が流れてくるのは安心する。
私は子どもの頃から早寝早起きで、実家が山奥だったので電波が拾えなくて、深夜ラジオを聞く習慣がなかった。多くの人が語る深夜ラジオへの愛をわからないまま、中年になったのだけど、「あ、こんな感じなんだ」とやっとわかった。
と同時に、雑談やお笑いに対する需要についても、なんとなくわかった。
人はただ情報を求めてラジオやポッドキャストを聞くわけじゃないんだなあ。
ただ人の声が聞きたいときっていうのがあるんだなあ。
お知らせ
現在『B面の歌を聞け』5号を編集中です。「普通」をテーマに、和歌山、水俣、高知、能登、東京とさまざまな地方で活動する人の声を集めました。
6月発行予定です。
ブログ更新中です。
https://kokeshiwabuki.hatenablog.com/
台湾華語学習日記は予習と復習で忙しくて書けないので、しばらく休みます。つきましては、サブスクもしばらく休止します。
購読してくださった方、すみません。
https://kokeshiwabuki.hatenablog.com/entry/2025/03/08/082551
夜学舎の本はこちらから