英語との距離感
私はまじめって言われることが多いけど、多分やったらやっただけ成果の出ることが好きなだけだ。その対象が勉強とか仕事とか世間的に評価されやすいこととつながっているだけだと思う。
対象が世間的によろしくないとされることなら別にまじめって言われなかった気がする。
勉強は内容にもよるけど、勉強してテスト受けて、やったらやっただけ成果が出ることが好きだ。けど議論とか、いろんな意見がありますねみたいなのは、苦手。大学でそのことに気づいて、自分は勉強が好きだと思っていたけど、好きなのは結果であって、その過程はあんまり好きじゃないのかもと気づいた。
仕事も似ている。下請けフリーでやってたころは、来る仕事こなして、締め切り通りに納品して捌いてけばお金が入ったり感謝されたりしてよかった。けど、クリエイティブなことはやったらやっただけ成果が出るわけじゃない。完成できない場合もあるし、せっかく作ったのに売れないこともある。
成果が出なくても平気とか、お金じゃないとか、芸術とはそういうものではないみたいな感じで割り切って、自分の表現をつきつめる方向もあったと思うけど、私は成果が出るのが楽しいからもっとやりたくなるという性格だ。
そして、私にとっての成果というのは数字とかお金といった目に見えるわかりやすいものを指すことが多い。
それは学校教育の弊害だとか、承認欲求が強いとか資本主義に毒されているとか、短絡的とか悪く捉えられがちだし、自分もそれを変えた方がいいと思っていたけど、もうそれは性格だからしょうがない気がして受け入れることにした。
前は文章に成果を求めていて、書いたって全部売り物になるわけじゃないし褒められるわけでもないからネガティブになったり、他人に当たったり、腐っていたこともあった。けど、最近はその対象を文章以外のものに変えることにした。それで今はとりあえず語学をやっている。
コロナで日本語教師の仕事がなくなったときに、英語教師になろうと思って仕事を探したけど、必要なTOEICの点数が足りなかったので勉強を再開した。でも、結局点数が講師の基準まで上がる前に、日本語学校の学生が増えたので日本語教師に戻った。結局今の自分は履歴書に書けるけど、まだ実用には下手で講師になるには足りないという中途半端なレベル。それでも、履歴書に書いたり、ちょっと時給のいい仕事に応募できるようになったから、やってよかったと思った。
こういうのは、ほんとに英語が好きな人とか英文学研究してる人からしたら邪道なんだと思う。けど、私は語学学習を生活に組み込んだことで、気持ちが安定するようになった。
前は文章で評価されたいが頭にあったから、売れてる人のことを気にしていたし比べて落ち込んだりしていた。今は、そういうことが頭をよぎったら、とりあえず語学学習アプリを開いて、問題を何問かやったりしている。
それで正解だったらうんうんと思うし、不正解だったらくそーと思う。
悔しい気持ちを人にぶつけるよりも、英語にぶつけた方が点数も上がるし、人に迷惑をかけないで済む。
文章にぶつけていた頃は、自分が文章が得意だと思う一方で、人より書けるというちょっとした驕りもあった。
でも、英語の前では自分は全然できないとか苦手から入ってるので、謙虚な気持ちになれる。そして、点数だけがもちろん評価の基準じゃないけど、でも20年前は絶対取れないと思っていたところまで取れるようになった自分に対して、がんばったと素直に思える。
それは、文章と向き合うときの「評価されたい」「売れたい」とか「なんであいつが」といった気持ちとは全然違う。
何年やっても英語が好きかわからないし、なかなか上達しない。それってもしかしたら向いてないのかもしれない。けど、向いてないことの方が案外続いたりする。勉強とかオンライン英会話も趣味というよりもただの習慣に近いけど、私は英語とはこれくらいの距離感がいい。研究とか文章は、好きとか「こうなりたい」の期待が高すぎたから疲れちゃったし自己評価も変になっちゃったけど、英語には全然期待のないところから入ったせいか、そういうのが少ない。だから長く続いている気がする。
★告知★
・イベント情報 大阪のアジアブックマーケットKITAKAGATA FLEAに出ます。
・新刊『片付けで人生変わった?私の片付け日記』出しました。
取扱店はこちらから
https://yagakusha.hatenablog.com/#%E5%8F%96%E6%89%B1%E5%BA%97%E8%88%97
整理収納アドバイザーに依頼して片付けた記録集。
本を100冊近く処分して起こった変化とは?
通販こちらからです。
PDF版 メールにpdfをお送りします。
※転載や転送はお控えください。
紙版 郵送で送ります。普通郵便だと送料が安くなります。
・現在京都のこもれび書店さんで貸棚出店中です。
新刊、既刊ほか、過去に寄稿した『仕事文脈』などそろっていますので、ぜひお立ち寄りください。
★好評発売中★
最新刊は3号「歩く、走る」特集
※本屋さんでの取り扱いもお待ちしております。
ではまた来月お会いしましょう。