個人事業主で10年以上生活している。
いちばん言われたくないのは「商売が下手」。
最初に作った本は、福祉施設で作られているかわいい雑貨を紹介する本で、出版社から出してもらったけど、取材費が出なくて、安く卸してあげるからそれを売ったらと言われて、せっせと買い取って売っていた。
たぶん自分で2000部くらい売ったと思う。
「ほんでなんぼ残ったん?」ある人に聞かれ、その人は私の言った数字にあきれるように「商売が下手やなあ」と言った。
その一言で、気持ちがぺしゃんこになった。
もっと他に言い方なくない?
「商売が下手」って、なんだか楽して稼ぐことがスマートで賢いって言われているみたい。じゃあ、逆に「商売上手」は、人を出し抜いて小賢しく立ち回るのがうまいってことみたい。でも、たぶん商売上手ってそういうことじゃないと思うんだけどなあ。
自然と買いたくなるようなお店作りや、ほっといても依頼したくなるような商品や作品作り、また来たくなったり会いたくなったりする人柄、そんなの含めて言うんじゃないでしょうか。
けど、自分はこの10年それができてたかなあ?
なんだか自分が「商売が下手」って言われたくないばかりに、上手に立ち回ることばかりに気をとられていたような気がする。
なんで、あんなふうにやっきになって「商売が下手」って言われたくないと思ってたんだろう。
そのころは経験も浅かったし、一人前って見られたい気持ちが強かった。
がんばって人にうまくいってるふうに見られたかった。
振り返ると、そんな背伸びはきっと周りに見透かされていたにちがいない。
恥ずかし~と思うけど、そのときは自分なりに虚勢を張って、生き抜こうとしていた。そういうがんばり方しかできなかったのは不器用だと思うけど。
人の言葉に本質を見失っててバカみたいだった。
今そんなこと言われたらどう言うかな。
にっこり笑って「え~、じゃあ教えてくださいよ」かな。
それともまじめくさった顔して「私にはこれしかできないんです」かな。
う~ん、どれも嘘くさい。
せめて「なんでそんな言い方するんですか!」かな。
でも、いざとなったらへらへらしてそう。
次こそ言えるように練習しておこう。
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本の表紙のバッグ(右下)、あれのカードケースを持ってます!きっと素敵な本なんだろうなーと思いました!