いまの仕事
お久しぶりです。こんにちは。
私は日本語の先生をしているのですが、今日は留学生にとっては今後の進路を大きく左右する日本語能力試験(JLPT)の日です。
日本語能力試験は日本語の英検のようなものです。日本語話者にとっては無関係の試験なので、留学生や日本語教育に関わる機会でもなければ知らない人も多いと思います。
日本留学の条件として、N5レベルが求められており、多くの日本語学校では最低でもN4レベル(初級が終わったくらいのレベル)の取得が目指されています。大学進学するなら、N2レベルが欲しいところですが、N5で入ってきてそこまで到達できる学生は一部です。
試験は読解、聴解、漢字、語彙、文法からなります。レベルによって試験時間はまちまちです。
たとえば漢字では読み方を選ぶようなこんな問題が出ます。
こうえんはみんながあつまる場所です。
1ばしょ 2ばしょう 3じょうしょ 4ばところ
実際選べても正確に書けなかったり、読めるけど意味がわかってない、意味がわかっていても、適切に使えないといったことが起こります。
たしかに、試験では語学力ははかれない部分もあります。しかし、進学のためには必要だからという理由で、このJLPTにパスできるようなカリキュラムを作っている日本語学校が多いようです。
どうしても試験優先になってしまい、試験に関係ないことはおろそかになってしまいがちです。もしかしたらこれは日本の英語教育と通じるところもあるのかもしれません。
また、日本語能力が高かったり、お金があったりすれば、チャンスは広がるのですが、やはりどうしても、自動車、IT、サービス、介護、といった人手不足の分野への進学に偏りがちなのも気になっています。それは、国策として留学生受け入れを推進しており、その目的が、国際化や人材交流といったものよりも、国内の人手不足を補うという目的から出ているからでしょう。
なんていうか、ライターや編集者の頃はここに問題があると指摘するだけの、部外者だったのが、日本語教師になってからは、当事者になったと感じます。
学生の将来に対して、不利益にならないように責任を引き受けるのがいまの自分の仕事です。
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お知らせ
・ISB booksさんのふ~ん学フリマに出店
東京の阿佐ヶ谷にあるISB booksさんの自主企画。
巨大化した文学フリマに対抗し、自分で企画してみようという試みです。
夜学舎は委託販売で参加しております。
日時 12/7(土) 14-20時 、12/8(日) 14-19時
場所 ISBbooks(東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-25-23第一丸伊荘C号)
https://www.instagram.com/isbbooks
・『パレスチナについて考えた日の日記』に参加しました。
13番館さんが企画編集した『パレスチナについて考えた日の日記』に寄稿しています。友人・知人への呼びかけやSNSでの公募で集まった71名の方の「パレスチナについて考えた日」の日記集です。
価格 1200円 判型 B6 ページ数 174p
12月8日に東京の下北沢にあるボーナストラックで開催される「日記祭」で販売されるそうです。
売り上げは、パレスチナ支援に使われるとのことです。通販もございます。
https://13bankan.base.shop/items/95283372
日時 2024年12月8日(日)11-17時
場所 BONUS TRACK(東京都世田谷区代田2-36-15)
下北沢駅南西口徒歩 5 分 / 世田谷代田駅徒歩 5 分